山梨県ウェブマガジン やまなしぃ

映画/Movie

 

トータル・リコール

なりたい自分になれる“記憶”。あなたは、買いますか? なりたい自分になれる“記憶”。
あなたは、買いますか?


“記憶”が簡単に売買される近未来。世界は大きな戦争の果てに、正常な環境を失い、人々はわずかな土地で裕福なブリテン連邦と貧しいコロニーという二つの地域に分かれて暮らしていた。彼らは退屈な日常の中で、刺激を求めてリコール社の人工記憶を買いに行き、不満を解消していた。コロニーに住む工場労働者のクエイドもその一人。工場で働く毎日にふと嫌気が差し人工記憶センター、リコール社を訪れる。

だが、彼の記憶が書き換えられようとしたそのとき、なぜか突然、ブリテン連邦の連邦警察官の襲撃を受ける。そこで自分の知らぬ戦闘能力を知り、困惑する。
混乱の中、帰宅したクエイドは、今度は彼の妻ローリーに襲われる。「記憶を消され、新しい記憶を植えつけられただけ。ダグラス・クエイドなんて人間は、この世に存在しない」と話すローリーを振り切り逃げるクエイドは、その先に数々の謎メッセージと共にメリーナと出会う。

メリーナは信用できるのか?友は信用できるのか?自分の記憶は、どこからが本物なのか?自分は誰なのか?ここは現実なのか?

全てを疑ったまま、クエイドは二つの地域の運命を握る戦いへと巻き込まれていく―。


見出しテキスト見出しテキスト見出しテキスト見出しテキスト プロダクションノート

『トータル・リコール』の再考、そして映画化への道のりが始まったのは2008年、製作のトビー・ジャッフェがある書店のSFコーナーを見ていたときのことだった。「若い頃に読んだ本がたくさん並んでいた。その中からフィリップ・K・ディックのアンソロジーを手に取り、短編小説「トータル・リコール(旧タイトル:追憶売ります)」を読んだ。願いを叶える素晴らしいファンタジーだったことを思い出した」と、彼は当時を振り返る。

言うまでもなく、この小説は1990年にも『トータル・リコール』という題名で映画化されている。そろそろディックの書いたこの物語をもう一度映画化してもいい時期かもしれない、と考えたジャッフェは、同じく製作のニール・H・モリッツの元へ話を持ち込んだ。モリッツは原作を読み、1990年の映画を改めて観た。

「原作のストーリーの新しいバージョンを作れる、と思った」と、モリッツは言う。「ストーリーを再考することによって、さらにいろいろなことを探求できるキャラクターやストーリーだと考えた。新鮮に思えたんだ。」

その理由は、ディックの物語が今なお、出版当時の1960年代と同じくらい先進性を感じさせる点にある。「この物語のすごいところは、人間の脳に記憶を植え付けることで、目覚めたときにはその記憶の内容を実際に体験したような気持ちになっている、というアイデアだ」と、ジャッフェは言う。その設定からは、「記憶とは何なのか」、「人間は、過去にどんなことが実際に起きたのか、どうしてわかるのか」といった宝の山のような疑問が生み出される。

「フィリップ・K・ディックが小説の中で作り上げたリコールというコンセプトに惹かれて、この映画を監督したいと思った」と、『ダイ・ハード4.0』の監督として知られるレン・ワイズマンは言う。また、ワイズマンは美術部門のスタッフとして、『インデペンデンス・デイ』や『スターゲイト』といったSF超大作に携わった経験を持つ。本作の舞台が未来に設定されていたことは、ワイズマンにとってたまたまそうだった、というだけに過ぎない。彼は、サイコスリラーとアクション映画を掛け合わせた作品を作ることで、主人公をより一層深く掘り下げようと考えた。

「こういう類の映画をレンほどよく理解している人は、今の映画界にはいない。彼がこの作品をやりたいと思ってくれて本当にラッキーだった。彼のおかげで幸先のいいスタートが切れた」と、モリッツは言う。


●監督:レン・ワイズマン
●原作:フィリップ・K・ディック
●出演:コリン・ファレル/ケイト・ベッキンセール/ジェシカ・ビール/ビル・ナイ


配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
2012年8月10日(金)より丸の内ピカデリー他全国ロードショー!
上映:TOHOシネマズ甲府